B.H.T.第2戦川俣里山ロードレース②

3つ目くらいの登りで軽くアタックをかけてオレンジヤロコ氏を抜き、先頭に立ってみる。『登りは頑張っても下りは回すだけだぞ俺。ゼロトルク、ゼロトルクだ。』などと内心呟きながら下る。『でも意外とみんな追いつかないな。さすがに様子見か?』
抜きつ抜かれつの後花塚線を出ると、ジーコ氏を先頭とした列車の後ろについてR114を東進。
そして今回のレースを大きく左右すると考えられる山岳ポイント・比曽坂にやってきた。勝負を賭けるならここだ!坂の斜度があがってきたところで(根性の)ギアをアップ!
休ませておいた大腿四頭筋でガンガンペダルを踏み込み、一気にトップへ躍り出る。
だが、しばらくしてどうも計算より坂が長い気がしてきた。思ったよりつづら折れ2つ分くらい手前で勝負を賭けてしまった…。とはいえここで気を緩めるとチェーンを通して伝わってくる自らの体重に負け、後ろ向きに進みだしてしまうのではないかと思われるほど。ええ~いままよ!とペースを維持。エクステンザがボリボリと地面に噛み付いて俺を押し上げようとするのが、かえって登坂力を奪っているのがわかる。
『重いぞエクステンザ。決戦用タイヤのくせに~。もっと空気入れときゃ良かったかなあ。』等と考える余裕があるはずも無く、オールアウト寸前で何とか峠をくりあ~。もはや前輪があっちこっちへふらふらと落ち着かなく、まっすぐ走ることができない。これ対向車来たら事故るんじゃないか?
気合を入れなおしてDH体勢をとり、おぼつかないハンドリングで下りのつづらをクリアしていく。彼らに勝つには、岩部ダムまでの軽いアップでさらにこの差を決定的なものにしたい。
ところが、さっき坂で限界まで攻めたせいだろうか『ぐふう…何だこの胸の痛みは。これが恋わずらいか?(本当にこんな事考えてた)』息を吸うたびに右胸に奔る痛み。『心臓に負担かけすぎたか?心臓って右だっけ?』我慢して走るが、呼吸が速まるともう辛抱たまらんほど痛いので、思うように走れない。
そして何かが食道を逆流してきた。やはりレース前、ボトルの内側に風呂とかで見覚えのある黒い汚れが付いているのを見なかった事にしてポカリを注ぎ込み、ガブガブ飲んだのがいけなかったのか!?逆流したものがジャージに少し付いたが、これも見なかった事に。…さらに続く

(GIANT-Swallow記者)